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これだけの封絶であれば、すぐにマージョリーさんやシャナちゃんが感知して現れるはずだ。
何の力も持たない俺は、せめてそれまで死なないようにする位しか出来ない。
廃デパートを中心に張られた封絶。目的は狩人の宝具なのだろうか?動く者はいない。
俺はマージョリーさんに貰った符箋の自在法のおかげで動くことが出来るが、普通の人間はその場で静止してしまう。
「くそっ・・・なんで誰も来ないんだっ。」
封絶が解かれる様子もなく、誰も来る気配も無い。
いや、誰かがデパートに向かって歩いている。
「なんで・・・あいつ・・・」
華奢で小柄な少女。御崎高校の夏服。
思わず物陰から飛び出した俺は、彼女に駆け寄った。
「おいっ、今ここは・・・危ない。こっちに・・・」
小首を傾げて不思議そうな表情の少女からは返事が無い。
「とにかく、隠れないと・・・でも、お前何で・・・」
もっと早く気が付くべきだった。
封絶の中で動いていたんだ。人間じゃ無いに決まってる。
その少女の名は・・・
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