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「なんだよ坂井。いるなら返事ぐらいしろって〜の。アイス、買ってきたぞ。おっと・・」
足元に注意しながら二人に近付く。
「ご・・・ごめん、あのちょっと・・・」
顔を真っ赤にしてシャナちゃんが謝る。
「あ、シャナちゃんに言ったんじゃなくて坂井に言ったんだよ。」
「と、と、とにかく、俺たち急用が出来たから。じゃあなっ!」
「さ、坂井?えっ?おいアイス・・・」
坂井が俺が手にぶら下げていたコンビニの袋を取り、その後をシャナちゃんがよろよろとした足取りで続く。
「ちょ・・・なんてカッコしてるのよっ!りゅ・・・シャナッ!」
「しょうがないじゃないか、こんなサンダル履くの初めてだし・・・あ、うるさいうるさいうるさい〜・・・あは、はは・・・」
行ってしまった。何なんだ?あいつら・・・
「何だよ、結局俺一人か・・・」
廃デパートを出ると強い日差しがアスファルトを反射し、俺は思わず目を細めた。
結局一人でガラクタをいじっては見たが、何が有用かどうかなんて皆目見当もつかないので諦めた。
ふと思い出し、シャツのポケットからカメオのついた首飾りを引っ張り出してみる。
ガラクタの中にあった壷をうっかり割ってしまい、その中からこれが出てきたのだ。
大き目のペンダントヘッドには女性の顔が彫刻されている。この手のカメオによく見るデザインは女性の横顔などだが、このカメオは全体が正面から見た女性の顔になっていた。
あそこにあったのだから、何らかの力をもった宝具なのだろう。跡で姐さんにみてもらうか。
「!?」
何だ?これは・・・・・・まさか封絶?
俺は・・・
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