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1575/ 教員見聞録(随時更新予定)
・投稿者/ 怨是
・投稿日/ 2007/09/16(Sun) 14:13:12

    --------------------------------------------------------------------------------

     このファイルは私が個人的にインタビューした生徒たちによる、教師たちへの声を、個人的な趣味で編集したものであり、ガーデン内部で日常的に発生している諸々の勢力争いとは無縁であるという事を踏まえた上でご笑覧いただきたい。なお、インタビューした生徒の名前は伏せ、読者諸兄は万が一彼らを見つけたとしても詮索はご遠慮願う。
     また、このファイルによって何らかのトラブルが起きた場合は、私を名指しで処罰していただいて構わないが、どうか目くじらを立てないような寛大な心持でご笑覧頂く事を、私は願ってやまない。

               編集者 バート・ジョエル(Bert Scot Joel)
                      ガーデン高等部教員 情操教育科

    --------------------------------------------------------------------------------
    テンプレート

    氏名 
      ( )
    役職 
    性別 

    趣味 
    特技 
    備考 

    --------------------------------------------------------------------------------






    氏名 ジョン・ホークウッド
      ( John Masters Hawkwood )
    役職 教師 student's代表
    性別 男

    趣味 アウトドア、読書、ストーンバグ狩り
    特技 格闘
    備考 -

    ・ムッツリ系? 奥手っぽい
    ・見た目に似合わずワイルド
    ・いつか絶対結婚すると思う または既に結婚している
    ・実はジョークが通じる てっきり真に受けてキレられるかと思った
    ・風紀には寛大だが実力主義
    ・正論が多い





    氏名 レイ・ケ・カリーネ
      ( Lei Ke Carine )
    役職 教師 臨時student's補佐
    性別 女

    趣味 生徒いびり?
    特技 ダーツ?
    備考 未婚

    ・ドS
    ・自習率が高い
    ・宿題は出すだけ出して忘れる
    ・美人だけど年齢不詳
    ・ヤリマン疑惑?
    ・禁煙中
    ・時折すごく優しい
    ・女王様
    ・エロい
    ・もうたまんねっス(´д`)





    氏名 ボリソヴィッチ・ポポフ
      ( Boris'o'vitti Poppov )
    役職 教師 student's所属
    性別 男

    趣味 煙草
    特技 鉄棒の大車輪
    備考 元ボストージア軍所属の脱走兵との噂がある

    ・鬼教官
    ・暑苦しい
    ・student'sひいき
    ・いじめは許さず、きっちり相談に乗ってくれる
    ・個人レッスンに対応
    ・単位は割りと甘い
    ・空気読めない
    ・涙もろい
    ・マッチョ 頑丈






    氏名 リゼル・プレサリス
      ( Rizel Precarith )
    役職 教師 student's所属
        / フロート科
    性別 女

    趣味 スイーツ
    特技 コンピューターゲームのボタン連射
    備考 ガーデン卒業生

    ・見た目の割に優しい
    ・胸
    ・おっぱーォ!
    ・補習はそこらの先生より上手い
    ・数居るクソ教師の中、この人はアタリだと思う
    ・丁寧な先生






    氏名 マキシム・シュタイナー
      ( Makzchim Johanes Steiner )
    役職 教師 総合体育科
    性別 男

    趣味 読書、音楽鑑賞
    特技 地雷撤去
    備考 元レイヴン

    ・熱血





    氏名 パヴェル・サトー
      ( Pavel Sato )

    役職 中等部数学教師 生徒会監査委員会顧問
    性別 男

    趣味 不明
    特技 暗算
    備考 -

    ・生徒に対する愛が無い
    ・授業はわかりやすい
    ・超無愛想
    ・賄賂次第で監視の目を緩める駄目教師
    ・テストは基本を抑えてるか否かを中心に
    ・眼鏡
    ・ジャップの血筋のせいか若干事なかれ主義
    ・ヘビースモーカー 息がタバコ臭い
    ・老け顔
    ・教師同士の交友関係は悪くない模様
    ・あの人、二日に一回しか頭洗ってないんだって?




    [未登録設定]

    氏名 リサ・アルモフ
      ( Lisa Enoja Almov )
    役職 教師 ヘロデト語科
    性別 女

    趣味 絵本の収集
    特技 ピアノ演奏
    備考 シフノヴ出身 後述のマッケンジー教諭との関係がささやかれる

    ・幼稚園の保母さんのほうが向いている気がする
    ・実は熱血
    ・健康器具通販コンビの片割れ
    ・保護者とも親密
    ・天然
    ・ミドルネームの読み方は「エノージャ」じゃなくて「イノヤ」と読むんだね
    ・ボストージア方面の奴がなんでヘロデト語をやってるのか意味不明
    ・シフノヴはヘロデトじゃねぇ。出てけ



    [未登録設定]

    氏名 ジョージ・マッケンジー
      ( George Right Mackenzie )
    役職 教師 体育科
    性別 男

    趣味 カヌー
    特技 チャーハンの返し
    備考 前述のアルモフ教諭との関係がささやかれる

    ・体操のお兄さん
    ・ジャージ常備
    ・健康器具通販コンビの片割れ
    ・笑顔が眩しい
    ・イングリッシュはノーサンキューかい?





    氏名 塩沢レンカ
      ( Renka Shiozawa )
    役職 教育実習生
    性別 女

    趣味 映画鑑賞
    特技 柔軟体操
    備考 ガーデン卒業生 パソコンは苦手

    ・チビのわりに態度でかい
    ・教え方がヘタクソ
    ・意外と出るとこは出ている
    ・上手い事を云って纏めようとする
    ・宿題はまとも
    ・氷の女帝(笑)





    氏名 ハーヴェイ・ネルソン
      ( Harvey Armweek Nelson )
    役職 教師 特殊戦闘科
    性別 男

    趣味 拷問
    特技 ジャズの演奏
    備考 生徒会とのコネクション有

    ・普通
    ・目つきがやらしい
    ・規律に厳しい
    ・ジョークがうける
    ・外道
    ・いじりがキツい
    ・ノーコメント(多数)




    氏名 マクシミリアン・ヴェルタシス
      ( Maximilian Veltathis )
    役職 スクールカウンセラー
    性別 男

    趣味 バラの手入れ
    特技 ブラインドタッチ
    備考 -

    ・女子にはすごく優しい
    ・ときおり目つきが怖い
    ・カウンセリングは丁寧
    ・物腰が柔らかい
    ・女子から同性愛ネタを作られてる 本人は凹んでる





    [未登録設定]

    氏名 ピーター・クリンゲン
      ( Peter Cringen )
    役職 教師 マゼラノ語科
    性別 男

    趣味 ヘヴィーメタル
    特技 レーシング
    備考 生徒会寄りだが、student'sへの敵対行動は行っていない

    ・“HEHEHE”笑いはやめろ
    ・酒臭い
    ・めがっさ俗っぽい
    ・ハゲ
    ・鼻赤い
    ・YAKUZA?
    ・そこらのレッドネック(DQN)を「シャバ僧」呼ばわりするツワモノ
    ・ケンカは止めずに持て囃す派 ただし武器を使わせない





    [未登録設定]

    氏名 アイク・デイモン
      ( Aic Damon )
    役職 教師 戦術理論科
    性別 男

    趣味 コアストーン集め
    特技 腹話術
    備考 セントクリフォード中央大学卒

    ・コテコテの理系 メガネでかい
    ・ジョーク通じない
    ・ちょっと腰弱い
    ・落ち着いた喋り方
    ・あまり力押しはしないが、肝は据わっている
    ・一時期、欠席が多くて死亡説が流れ出した
    ・派閥争いは意に介していないが、student'sの教師の充実ぶりは気にしている





    [未登録設定]

    氏名 オスカー・マッケンベッド
      ( Oscar Highstars MC'nbed )
    役職 教師 地対地戦闘科
    性別 男

    趣味 サバイバル
    特技 銃の組立
    備考 元マゼラノ海軍所属 教官暦22年

    ・鬼軍曹
    ・怒鳴りすぎ
    ・声がでかい
    ・朝早い
    ・当てこすり多め
    ・ここは海軍じゃない
    ・レッスンきつすぎ student'sいけ
    ・説明は丁寧
    ・俺達をクソ虫呼ばわりしやがった
    ・マジはずれ教師
    ・ゆとり系少年少女達の敵
    ・実は授業中以外は優しい
    ・マスかきやめーパンツあげろー
    ・軍曹ソングはやめて





    [未登録設定]

    氏名 スタン・ハーク
      ( Stan Baker Hark )
    役職 教師 アセンブル理論科
    性別 男

    趣味 ガラス細工
    特技 速記
    備考 イェレット工科大学卒 

    ・おじさんというより、兄貴
    ・ゲイっぽくね?
    ・普通すぎてつまんねェーよへひゃひゃ
    ・メガネ以外に特徴はない
    ・メガネとしかいいようがない
    ・メガネ
    ・メガネ
    ・マッチョメガネ
    ・授業内容は普通




    [未登録設定]

    氏名 アブドゥル・アリタバラカ
      ( Abdol Aritaballaca )
    役職 
    性別 男

    趣味 
    特技 
    備考 




    [未登録設定]

    氏名 ヘゾッサ・ロマーニ
      ( Heznossa Romani )
    役職 
    性別 女

    趣味 
    特技 
    備考 




    [未登録設定]

    氏名 パク・ヨンマ
      ( )
    役職 教師 
    性別 女

    趣味 香辛料の栽培
    特技 
    備考 ボストージア南東、チーナンスク出身

    ・ココナッツミルク系カレーが好きらしい





    [未登録設定]

    氏名 ブレディ・ジャクソン
      ( Bready Fairs Jackson )
    役職 教師 高等部第三学年主任 生徒会後見人代表
    性別 男

    趣味 ゴルフ
    特技 不明
    備考 イエナウッド出身 シークレットネーム“オルボーネル”を苗字に持つ

    ・出る杭を打ちたがる
    ・全体主義? っていうか貴族出身を鼻にかけてるような……
    ・事務を担当している事が多い
    ・言い訳が多い
    ・ガーデンの古狸





1572/ ガーデン転校初日編 -1-
・投稿者/ ケインズ
・投稿日/ 2007/09/06(Thu) 22:18:11

     
    「はあ、はあ、はあ…………おっとっ」

    「あぶねえっ 気をつけやがれバカ野郎っ!!」

    突然ですが……俺は只今ガーデンを爆走中だ。
    廊下を全速力で走り、ジャンプして階段を上ったり降ったり生徒に罵声を浴びせられたり……とにかく忙しい。
    なぜこんな事態になっているのか? という疑問が頭をよぎるが今は考えてはいられない。
    すぐそこまで、アレが迫ってきている。
    ……何が追ってくるって?

    俺にもわからん。
    ただ分かることはたった一つだけ――。

    「止まらんぬか、この不埒者が、止まらぬとその首を斬るっ!」(すでに刀を抜きつつ)

    ……………止まったら死ぬことだけはわかるっっっ! 俺は並んで歩いていた数人の生徒をなぎ倒すようにして走りつつながら叫んだ。 
    後ろで非難の声が上がってるようだがそんなことは関係ない! 
    今は自分の命を確保すのが優先だ。っと心の中で叫びながら必死で逃げる。
    壁にぶつかるようにして廊下を曲がり、勢いそのままでさらに走りつづける。 
    「なんてこった・・・」 一瞬だけ振り返ると先ほど追跡者との距離が詰まっていた。 
    小柄な体格、走りにくそうな着物を着ているわりには驚異的な速度であった……そんだけやはりいけないことをしたってことだろうか?
    すくんで止まりそうになる足を急かしながら俺は必死になって追跡者に向って叫んだ。

    「ア、アンタは誰だ、どうして俺を追ってくるんだっっ!?」

    「黙れっ!黙れっ!!黙れっ!!! 汝の話など聞く耳持たぬ、打ち首にしてくれる」 (ズバシッ!)

    「……」 (一刀両断された、てか聞いてもらえない)

    打ち首はいやだぁぁぁっ! っと心の中で叫びながら逃げる。
    されど追跡者も刀を振り回しつつ、段々と距離が縮まってきた。
    追跡者はとんでもないことを言い放った。

    「妾の、き、着替えを覗いた罪を償ってもらおう……覚悟っ!!」」

    「だから、俺は知らないと言ってるだろっ! それ以前にアンタと会ったのは今日が初めて―――のわぁぁぁ!?」

    追跡者の刀が彼のコートの一部を裂く。
    生徒たちの悲鳴が聞こえるが悲鳴を叫べるだけあっちの方がまだましだ。
    俺は全身に冷汗を掻きつつ急いで相手との距離をあけるべく近くにいた男子生徒達を壁にする。

    「しらじらしい嘘を申すなっ!」

    「え、なに……ぎゃああああああああああっ」(以下略)

    後ろで犠牲になってもらった男子生徒たちの冥福を祈りつつ? 俺はようやく少しだけ生きる時間をもらった。
    しかしこの状況は……














    泣いてもいいのか?  てかもう泣く!?




    今度から人に尋ねる時は慎重にいこう。っと心に刻みつつ、とても危険この状況を打開する為、彼は学園に到着時の行動を思い返す。
    後ろに死が迫りつつ、走馬灯のように必死に原因がなんだったか考える前に俺は言わずにはいられない言葉をいつものように言うのであった。

    「……不幸だ」



1569/ before GAKUENSAI -1-
・投稿者/ スペランカー
・投稿日/ 2007/09/04(Tue) 02:45:23

    「まだ先生来ないのかよ。」
    「どうする? 帰っちまう?」

     機甲科高等部2年・五限目の授業はホームルームだ。
     本日最後の授業ということだけあって生徒の意識は既に放課後モードに入りつつある。

    「……」

     ティグリス=ユーフラテスは頭を抱えて机に突っ伏している。

    (くそッ…なんか変に意識しちまう)

     ティグリスは頭をかすかに上げて教室内の端の席に座っているエミリーを盗み見る。
     これだけ騒がしい教室内で、まるで周囲の雑音が彼女には聞こえないかのように黙々と手元の本に目を走らせている。


    (…やっぱり、私じゃだめですか…?)
    (駄目なんかじゃない。こんな俺で良いのなら…)


    (くそッ…なんで思い返しちまうんだ!?)

     改めて思い返してみるとかなり恥ずかしい。自分の腕にまだ彼女を抱いた感触が蘇る。
     あれ以来エミリーは少し丸くなったというか穏やかになったというか、とりあえず以前の彼女とは雰囲気が少し違っている。それに気づいているのはティグリスだけかもしれないが。
     そしてティグリスはそんなエミリーを変に意識してしまっていた。

    「よぉ、ティグ。なにエミリーのことじぃっと見つめてんだよ。」

     突然馴れ馴れしく肩に回って来た腕に驚く。完全に不意を突かれた。普段だったら触れる前に手で払っていたのだが、今のティグリスはエミリーに意識を向けていたので完全に気づくのが遅れた。

    「なっ、別にあいつのことなんか見て無いよ!」

     慌てて答えるが自分の頬が赤くなるのを自覚した。それを見て級友は口の端をつり上げる。

    「お? 何赤くなってんだ? まさか――」
    「違えっての!」
    「つーか、ティグ。エミリーのどこがいいんだ?」
    「話聞けよ!」
    「顔が良いのは認めるが体つきはどっちかって言うと貧相だし。それにあんな無表情すぎるのはなぁ…エーニスみたいに明るいこの方がいいだろ。」

     級友が教室の後ろの方で友達としゃべっているエーニスを見て言う。
     エーニスは化粧上手な赤毛の女生徒だ。淡いシャドーで縁取られた目元は印象的で、確かにこのクラスでは一番男ウケはよさそうである。

    「おい!」
    「それにくらべてエミリーはなぁ…ああもきっちりと制服着こなしてると逆にちょっと引くよなぁ。」
    「お前な!」

     エミリーは仮にも自分のパートナーだ。好きとかそういう感情を抜きにしてもそういうことを言われるのは結構嫌だ。
     自分の相棒のことを悪く言われて多少冷静さを欠いたティグリスがイスから立ち上がる。

    「エミリーは根が真面目なだけなんだよ! それに俺といるときは笑顔も見せてくれるし…エーニスみたいに能天気に笑ってる厚化粧女よりは断然にマシだね!」

     ムキになっていたティグリスは怒鳴るようにそう言い放った。
     そしてその言葉に反応したのは目の前の級友ではなく――

    「誰が能天気で厚化粧だって!?」

     化粧上手な赤毛の女の子だった。
     聞き捨てならない、といった風にエーニスがティグリスを睨みつけている。

    「へ!? いや、今のはその…」
    「『その…』なんだって!?」

     慌てて言い繕うとするがエーニスの剣幕に圧倒されて言葉が浮かばない。

    (くそッ…なんでこんなことに!)

     視線で級友に助けを求めるが、級友は慌てて目を逸らす。友情よりも自らの命をとったのだ。

    「あぁ!?」

     エーニスの視線の圧力が増す。
     教室内の殺気が臨海に達すると思われたところで――

    「おーい、何やってんだ。席に着けー」

     担任の教師がドアを開けて入って来た。
     エーニス、運のいいヤツ、と舌打ちしながら席に戻っていく。

    「ふぅ…なんとか助かった…」

     ティグリスは脱力するようにイスにもたれかかる。
     教師は一番前の列の生徒に端からそこそこの厚みの冊子を配ってゆく。そしてその束を後ろの席へと次々に渡してゆく。
     ティグリスも自分の分をとって後ろのクラスメイトに残りを渡す。

    「学園祭か。」

     冊子の表紙にはポップなキャラクター達が紙面いっぱいに描かれており、学園祭の文字を囲んでいた。

    「あー、みんな知ってるとは思うけど、来週の月曜日から学園祭があります。それで学園祭のミスコン出場者をクラスから一名選出することになってるんだけど、立候補するやつはいないか?」

     といっても立候補するやつなどいない。顔に自信のあるエーニスも立候補は拒んでいる。
     ガーデンには学校が一つしかないし、その規模も大きいので学園祭も規模が大きい。上は大学部、下は初等部まであるのでミスコンの出場者も膨大な数だ。
     審査は男女同人数の審査員と全校生徒と来乗客全員で判定される。だが審査要素は単に顔や体の造りから、衣装、ヘアースタイル、萌え度などさまざまなため、自信のあるものでも下半分の順位になることもある。

    「やっぱ立候補はいないか…じゃ、推薦用紙配るから適当な名前書いてくれよな。」

     教師が用紙を配り始めると同時に校内放送のチャイムが鳴った。

    『機甲科高等部2年ティグリス=ユーフラテス、本日中に第一生徒会室まで来てください。繰り返します。機甲科――』
    「お、ティグ、呼ばれてんじゃん。」
    「みたい、だな……」
    「なんかやらかしたか?」
    「いや…」

     こころあたりはない。

    「どうせホームルームだから今行ってきてもいいぞ。」

     教師が欠伸をしながら言う。

    「あ、じゃあ、ちょっと行ってきます。」

     軽く頭を下げて教室を退席すると、ティグリスは少し早歩きで生徒会室に向かった。

    (エミリーは呼ばれずに俺だけ、ってことは生徒会の任務じゃないのか?)



1570/ before GAKUENSAI -2-
・投稿者/ スペランカー
・投稿日/ 2007/09/04(Tue) 02:46:03

    「特別手当、ですか?」

     意外そうな顔でティグリスが訊ねる。

    「そうだ。」

     と生徒会室のソファに座った生徒会副会長のエリアス=リュミエールが紅茶を飲みながらつぶやく。
     エリアスは中世的な顔立ちで、しかもショートヘアに男物の制服を来ている。ただこちらは自らの意思で普段からこの格好なので、定期的に姉に強制的に女装させられるティグリスとは立場は違う。

    「この間のテロ騒ぎのときに君が自らのACを盾にして守った市民がいただろう?」
    「え、ああ、はい。」

     記憶をさかのぼってティグリスは返事をする。

    「その人が実はクィギエリで一番大きなオペラ劇場のオーナーなんだそうだ。」
    「はぁ、それで…?」
    「助けてくれたことに感謝して、結構な金額とオペラのチケットを置いてったよ。さすがに金額が金額だから全額は支給できないがな。IDを持っていけば後の細かい手続きは会計のネイルがやってくれるよ。」
    「…わかりました。」

     特別手当と言われても、いつものように行動していたティグリスはあまり特別なことをした実感はない。それでもお金が貰えるにこしたことはないので余計なことは言わなかったが。

    「それで、こっちがオペラのチケットだ。」

     と、テーブルにチケットを置く。
     それを手に取ってティグリスは首を傾げる。

    「ペアチケットですか?」
    「ああ、先方がな、『恋人といらっしゃってください』と置いてったんだよ。…そうだ、あのエミリーとでも行ってきたらどうだ?」
    「なっ……」

     慌てて紅茶を吹き出しそうになる。

    「あいつは別に彼女って訳じゃっ!」

     慌てるティグリスを無表情に、だが瞳に多少の好奇の色を浮かべてエリアスは優雅に紅茶を口にする。

    「別にそんなつもりで言ったんじゃないのだが…君たち二人はマゼラノからの留学生だが生徒会の仕事を真面目にこなしているからな。それに男の二人旅はキツいぞ。」
    「…はあ。」
    「ま、話はそんなところだ。急に呼び出してすまなかったな。」
    「あ、いえ。ホームルームだったので。」
    「そうか。なら早く戻りたまえ。ホームルームとはいえ学生の本分は学業だからな。」
    「わかりました。」

     ティグリスは残った紅茶を飲み干すと、ペアチケットをポケットに入れて生徒会室を立ち去った。


              ●


    「すいません。遅くなりましたー。」

     言いながら教室のドアを開ける。

    (ん? 静かだな。)

     教室内は静まり返っていた。

    「やぁ、ティグリス君。おかえり。」

     教師が苦笑しながらティグリスを入ってくるよう促す。

    「?」
    「ふふふ」
    「へへっ」

     教室をざっと見回すとクラスメイトが全員ティグリスを見て笑っていた。
     その光景にティグリスは一歩後ずさる。

    「な、何なんですか、いったい?」

     そう言うとクラスメイト全員がティグリスの後ろのホワイトボードを指差して言う。

    「「「それじゃあ、頑張って」」」
    「え?」

     怪訝そうにティグリスは振り返り、ホワイトボードに書かれているものを目にする。

     『ミスコン出場者・推薦』

     『ティグリス=ユーフラテス 51票』

    「は?」

     一瞬、自分の目を疑った。
     もう一度見直すが、そこには間違いなく自分の名前が書かれていた。それはつまりティグリスがミスコンに出場するということである。

    「ちょ、待ってくださいよ! なんでみんな……はッ!?」

     ティグリスが振り返るとエーニスの凶悪な笑みが目に入った。

    「エーニス、お前の仕業かっ!」
    「さぁ、なんのことかしらね。」

     とは言うがエーニスの表情はこの上なく残酷な笑顔だった。
     おそらく先ほどのティグリスの失言に対しての報復なのだろう。クラスメイトに、ティグリスを出場させよう、と言ったのだろう。

    「じゃあ、そう言う訳でミスコンの出場者はティグリスに決定ということで。」
    「「「はーい」」」

     クラスメイト全員が賛成の声をあげる。エーニス以外は単におもしろがっているのだろう。

    「ちょ、俺出ませんからね!」

     そう言うと担任の教師は苦笑しながら、

    「クラスから一名の出場は義務づけられていてな、断ったら落第させられるらしい。」
    「そんなっ!?」
    「ま、そーいうわけだから、頑張ってくれ。」

     ティグリスはがっくりとうなだれてホワイトボードに書かれた自分の名前を見つめる。

    (ん?)

     ホワイトボードを見つめ、あることに気づく。

     『ティグリス=ユーフラテス 51票』

    (51票…)

     コノクラスの人数はティグリスを含め52名だ。つまり彼以外の全ての人間がティグリスを推薦したということだ。

    (俺以外の全員…)

     そう思ってティグリスが視線を送るとエミリーは、さっ、と本で顔を隠した。

    (エミリー、お前もか……)

1571/ before GAKUENSAI -3-
・投稿者/ スペランカー
・投稿日/ 2007/09/04(Tue) 02:46:53

     ・出場者の性別がどちらであろうと”ミス“コンである以上、女性らしい格好以外では失格とする。
     ・失格したものは成績に関係なく落第とする。

     ティグリスは今自ら部屋で女物の服に囲まれている。理由は上記の二点の規則の為である。
     出場することが決定した以上、半端な格好で恥をかくことだけは避けたい。そういうわけでクラスメイトの女子達と一緒にショッピングモールで買い物をしたのだ。ミスコンで着る女物の服を。

    「これだけ買えば一通りの属性はカバーできるでしょう。」
    「属性って…」

     張り切るエーニスに対してティグリスは最初っからあまり気乗りではなかったが、この事態を引き起こしたのは自分の失言が原因でもあるためある程度は腹を括っていた。

    「ん〜、ターゲットをどの層に絞るかで結構決まってくるけど…」
    「って何でお前がいるんだよ!」

     顎を捻って考え込むピアチェーレに対してティグリスがつっこむ。

    「お前student'sだろ!?」
    「所属のわだかまりなど私には無意味だよ。」
    「カッコつけなくていいし!」
    「冗談はさておき、エーニスに呼ばれたのよ、わたしは。」

     ねー、とピアチェーレとエーニスが両手を合わせる。

    「余計なことを…」
    「何がよけいなのさ。わたしが呼ばれた理由はこれよ。」

     そう言ってパチェは持ってきたバッグから手のひらに収まるくらいの一組のクッションのようなものを取り出す。

    「なんだソレ?」
    「パッド。やっぱこれが無いと女装は始まらないでしょ? 一部の需要を除いてだけど。」

     ふーん、とパッドの重要性を知らないティグリスは適当に返事をする。

    「じゃ、そういうことで……ティグ、全部脱ぎなさい。」
    「ハァッ!?」
    「はぁもなにも下着から変えるのは当たり前でしょう?」

     そう言ってピアチェーレは丁寧な包装がされた小包を空け、レース飾りの付いたショーツとブラを取り出す。
     それを見てティグリスは一歩後ずさる。

    「そ、それを着けるのか?」
    「もち」
    「ふざけんな、なんで俺がそんなものを…」
    「あーもうじれったいなぁ!」

     そう言ってピアチェーレはネコ科の動物を思わせる俊敏な動きでティグリスの衣類を脱がしてゆく。

    「わっ、テメ、止めろ、バカ!」
    「だが断る。」

     必死で抵抗するがピアチェーレの動きを止めることができない。

    「ぱ、パンツはよせ!」
    「大丈夫、わたし男根に興味ないから。」
    「生々しいこと言うな、じゃないくてそういう問題じゃないだろ…ってうわ!」
    「あららご立派!」

     そんなこんな様子を他の女生徒達は真っ赤になった顔を手で覆い、しかし指の隙間から眺めていた。


    「う、ひっく…汚された…」

     先ほどのショーツとブラを着け、完全におとなしくなったティグリスを囲んで女生徒達があれやこれやと話し合っている。

    「とりあえずこのパッド詰めみようか。」
    「そうね。」

     ティグリスの胸とブラの間に手を突っ込んでパッドを詰め込む。

    「胸はこれで良いとして…服はどうする?」
    「とりあえず無難なワンピースで良くない? ……ほら、これなら少し大人っぽい雰囲気も出せるし。」
    「あー、いいね、それ。」
    「じゃあ、これでいこうか、ティグリス君?」
    「うっ…もうどうにでもしろぃ…」

     ティグリスは黒のワンピースを受け取りながら涙声でつぶやく。
     目立つほどではないが筋肉がついているし、そもそも男と女では肉の付き方が違うのため少しキツかったが腕を通したら楽に体を通すことが出来た。
     ティグリスがワンピースを着ると女子達から、おぉ、という意外そうな声が漏れる。

    「な、なんだよ…」
    「元が童顔で中世的だから黙ってれば女の子に見えなくもないわね…」
    「う、うるさいよ!」

     エーニスはしばらく考え込んだ後、買い物袋からウィッグを取り出す。

    「じゃあ、次は髪型だけど、これ付けてみて。」

     そう言ってティグリスの髪の色と同じ金色のウィッグを手渡す。

    「あ? …わかったよ……ったく…」

     文句を言いながらも手渡されたウィッグを頭に付けるとさらに大きなどよめきが女子達から漏れた。
     ピアチェーレも、これはこれは、とまんざらでもない様子でティグリスを眺めていた。そして女性陣はなにやらひそひそと小声で話し始めた。

    「からかい目的だったけど、これは以外とイケるかもね。」
    「上手く行けばトップ3に入れる素材よ。」
    「今はサポーターで押さえているけど、コツカケ覚えさせる?」
    「お、おい何ひそひそ話てんだよ…」

     ティグリスが怪訝そうに訊ねると全員が一斉にティグリスの方を向いた。

    「いッ…」

     慌ててティグリスは後ずさる。
     女子達の顔に浮かんでいたのは邪悪な笑みだった。

     学園祭まで一週間。



727/ URL投稿用ツリー
・投稿者/ 蜥蜴(とかげ)@管理者
・投稿日/ 2006/05/13(Sat) 01:22:09

    URLでの投稿が問題視されたようなのでそれらを統括するツリーを設置してみました。
    URLで投稿される方は自分用のレスを作り、投稿毎にそこにアドレスと題名を追加していってください。
    レスのタイトルに自分の名前と更新日を記入しておくと便利です。

    ※パスワードの設定を忘れずに!



732/ 「5月9日・アーウィンド」
・投稿者/ アーウィンド
・投稿日/ 2006/05/13(Sat) 22:50:54
・URL/ http://arwind.fc2web.com/ac-ova5.html

740/ 5月14日 : シノ : ぷるぷれ
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2006/05/14(Sun) 21:57:49
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

844/ Re[2]: 6月4日 : シノ : No3D
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2006/06/04(Sun) 15:46:18
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

    暫定的にではありますが、次回作の冒頭です。
    他の方の作品を拝見させて頂いていたところ、どうにも我慢が出来なくなってしまいました。まだまだ精進が足りませんか。

    No3D(縦書)↓
    http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/no3d01.html

    注意:上記URLは縦書き表示のページです。IE5.5以降のブラウザでなければ、正しい表示がされないと思われます。横書きの項に関しては未だ用意できておりません。まことに申し訳ありません。

975/ 7月8日 : シノ : ぷるぷれ 及び Window Pains
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2006/07/08(Sat) 23:23:57
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

1102/ 10月1日 : シノ : Novum organum / Dogs DayDream
・投稿者/ ぷるぷれ
・投稿日/ 2006/10/01(Sun) 23:47:51
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

    遅筆にも程がありましょうか。
    書き途中ではありますが、No3Dの一話と二話をお届けします。

    http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/no3d01.html

    キャラクタに関しては多くお借りしております。皆様方には心よりお礼を申し上げます。というよりも無断借用すみません。
    不適切な表現等が御座いましたら、変更致します。
    未だ終わりが見えぬ作品ですが、生暖かく見守って頂ければ幸いです。

1124/ 10月27日 : シノ : ぷるぷれ
・投稿者/ ぷるぷれ
・投稿日/ 2006/10/27(Fri) 00:54:06
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

1164/ 11月18日 : シノ : Shangri-La
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2006/11/18(Sat) 21:53:22
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

    樹さんに心よりの感謝を。
    そして今後、コンチェルティノに多大な迷惑をかけるだろうことに対する謝辞を今から申し上げます。

    長編が進まないので、短編を書きました。
    突っ込み所は多々ありますが、ご容赦を。場合によっては今後の展開によって消化できますので。

    Shangri-La(縦書き)
    http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/shangri-la01.html

1169/ 11月23日 : シノ : Novum organum / Dogs DayDream.
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2006/11/23(Thu) 02:32:40
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/

1220/ 01月14日 : シノ : Novum organum / Dogs DayDream.
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2007/01/14(Sun) 21:56:19

1355/ 04月01日 : シノ : Novum organum / Dogs DayDream.
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2007/04/01(Sun) 22:33:36
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/

1567/ 08月17日 : シノ : Novum organum / Dogs DayDream.
・投稿者/ シノ
・投稿日/ 2007/08/17(Fri) 08:58:19
・URL/ http://members.jcom.home.ne.jp/active-opinions/index.html



1548/ Spoil the Trick(前書き)
・投稿者/ 鉄
・投稿日/ 2007/07/22(Sun) 14:32:16

    この作品は、「10ベルカぽっちのつまらねえ傭兵達の退屈な休息」と「なんてこともないパワードスーツの新兵の話」を読む前に見る事をオススメしません。
    また、この前書きを書いている時点では未完成であるので続きはまったりとお待ちください。
    今回2次設定よりアルティーナ及びクライブメタルインダストリーを使用させていただきましましたが、あまりにもバランスを考えていないパラメータ付けであったので独自の解釈でコスト相応…いやそれ以下のモノにさせて頂きました。
    ですが、謝る気は御座いません。そこの所はご了承下さいませ。



1549/ Before「ゴロツキどもの出撃」
・投稿者/ 鉄
・投稿日/ 2007/07/22(Sun) 14:33:49

    あるうさんくさい会社が有った。
    そこは俺達の商売道具より性能が良く、安い兵器を作っていた。
    だがその安さや不可解なトラブルなどが重なり、多くの傭兵部隊は倦厭し、一部の傭兵をそれを使う事によって自らの身を滅ぼした。
    俺達の部隊は前隊長たるアルゴがそれを危険視したために使う機会は無かった。
    そしてその精神障害誘発率の異常な高さからある一つの噂が出始めた。
    「奴らは人身売買で手に入れた子供を試験に使っている」と。
    この噂からその企業の闇を探り…俺たちとMHG、そして教会の連中にある任務が下された。
    それは、突入。制圧。捜索。
    つまり、噂が本当である確証が掴めていると言うことだ。
    今、その支社ビル及び周辺施設の数キロ離れた場所でお偉いさんがたと打ち合わせ中だ。
    無論、お偉いさんと言えども話の通じる奴らで、侵攻ルートは大方決定したが。
    にしても…見た顔ばかりなことで。
    ルイスに爺さん、それにアルフ。教会サイドは話した事は無いが一度戦場で見た顔だ。たしか…グレゴリウスとか言ったか。
    あと一人居るが知らん。

    「…なら俺たちは下から上へ攻めるぞ。ルイスと教会さんも下からだな?」
    「Good,Good,VeryyyyyyyyGoooooooood!精々気張ろうかね。」
    「あたいはそうだね。爺さんとアルフは上から派手に行くんだって?」
    「そうじゃよ。ワシもまだまだ若いものに負ける気はせんわ。」
    「ああ、精々クソ野郎のケツに弾丸をブチこみに行くだけだ。」
    「OK,次行こう次。」

    こんなノリで打ち合わせが進み…。
    終わった直後に無理やり酒を飲みに連行された。
    右腕をルイスに絡み取られ、ずるずると連行されていく。
    教会の奴らも犠牲者となってしまった。
    酒代?爺さんのオゴリだったからサイフには問題は無い。
    それよりなんなんだあの爺さんは。肝臓が鉄でできてやがんのか?
    問題は…今日中に投函しようとしていた妹への手紙を結局投函せじまいだったと言う事だ。
    とほほ…。


    08/14-07:47 ガレージ

    俺たちはガレージまで来ていた。理由は二つ。
    装備を受理するためと、
    隊員の士気高揚の為に一言言うためだ。

    「…で、隊長さん?これでいいんだな?」
    「ああ、よくこの量を持ってこれたな。」
    「なあに、これが仕事さ。」

    いつものように男からパーツを受理する。
    爺さんは今何かを仕入れているとか。
    受理したパーツはパイルバンカーやブレード、マシンガンやショットガンと言った接近戦用武器ばかり。
    当然と言えば当然だ、この手の室内戦ではこう言う装備の方が使いやすい。
    俺のリンクマンはパイルバンカーとブレードを装備した。
    閉所でならこっちの方がいいからだ。
    そしてセットアップしつつ皆に言う。

    「お前らの今回の仕事は汚れ仕事じゃない。むしろ正義のヒーローになりきることだ!」
    「それってどういう事です?隊長。」
    「いい質問だ。この近辺のクソ中小企業がクソマフィアから買った子供を使って人体実験をしている疑いがかけられている。
    つまり、そいつをぶっ潰しに行くんだ。」
    「弾薬費は?」
    「弾薬費はあちらもちだ。存分に奴らのビルの中でばら撒いてやれ!」
    「友軍とか居るんで?」
    「ああ、ルイスの奴と教会の連中だ。あと爺さんが来る。」
    「えー、あの爺さん苦手なんでよー。」
    「そこら辺は抜かりは無い。爺さんは上から強襲し、俺たちは下から攻めあがる。作戦終了したらオサラバだ。」
    「隊長、準備できましたぜ」
    「OK,腐れた奴らを潰しに行くぞ。早く乗りな。」

    ゾロゾロと仲間がコアデバイスを持って貸切バスへ入る。
    自前の装甲車は有るが、そんなもので乗り付けたら一発で敵さんにバレる。
    という事でこいつを借り、敵さんの目の前まではなんとかカモフラージュする。
    無論、運転手は俺だ。不必要な事に金は使わない。
    全員乗った事を確認し、俺は運転席へ座る。
    さて、出撃だ。凄くシュールだが。

    Next→-08/14-23:50

1550/ 08/14-23:50[First Folling]
・投稿者/ 鉄
・投稿日/ 2007/07/22(Sun) 14:35:18

    08/14-23:50 領域上空

    夜の空を数機のヘリが飛ぶ。
    僕たちはそこから一つのビルを見下ろしていた。
    勿論ヘリの中だから狭いのは分かってる。だけど…だけどさ…。
    何なんだよこのデカいスピーカーは!

    「隊長…このスピーカーは何のために…?」
    「見て分からんか?曲を流すんだよ。」
    「曲って…?敵にバレるじゃないですか。」
    「バレるために使うんだ。爺さんの目論見だと敵がこっちに集中しようが分散しようが有利に事を進められる…とよ。」

    奇策と言えば奇策だけど、わざわざスピーカーを持ってくる意味が分からない。
    だけど、少し納得した以上はやってみせる。
    今回はアリスも同行している。彼女ともう一人のオペレータと上の人間で簡易的ながら司令部を作るそうだ。
    尤も、上の人間と言っても僕が百人かかっても一人も殺せないような人だけど。
    本人のアリスはもじもじしながら僕を見ている。

    「ねえ…ライリー。ちょっといい?」
    「なに?」
    「あの…その…この作戦が終わったら私の部屋に…きて?」

    僕は何も言えずに首を縦に振る事しかできなかった。
    笑みを浮かべるアリス。急に目つきが怖くなるチームメイト。
    と言うかみんなの視線が怖いです。
    それでも少しずつ緩んでいく僕の顔。
    しっかりしなきゃ。

    08/15-00:00 領域上空

    ついに降下する時が来た。
    ジェットパックと武器を点検する。
    合図と共に一斉に後部ハッチが開き始める。
    そして後部ハッチが開いて僕たちは飛び出した。
    一瞬無重力になった感覚がしたが、それはほんの一瞬。
    僕らはジェットパックを駆使して少しずつ高度を落とし、ビルの屋上へ着地。
    陣頭指揮を執るのは僕たちの隊長であるアルフ少尉ではなく、それよりも上の存在たるクリード大佐だ。
    まずは人員の確認。パワードスーツ部隊が数部隊とMTスーツ部隊が3部隊。作戦としては少々大規模だが仕方が無い。
    何せ相手はMTスーツメーカーの支社なのだから。

    「よし、全員そろっておるの。アルファチームはわしについて来い。ベータは殲滅及びクリアニング、ガンマは確保をやるのだ。では、いくぞ。」
    「「「Sir!Yes、Sir!」」」

    アルファチームは僕も含まれている。だけどアルファチームは少数精鋭が旨だったはず。
    僕なんかが居て良いのだろうか…?
    階段をパワードスーツとMTスーツが下りて行く。
    リンクマンやライオネル、それにコルベティガまで居るみたいだ。
    だけど、大佐のパワードスーツは何なのかも検討がつかない。
    凄く古ぼけた感じはするけど現行品と同等の性能を発揮しそうなそれは背中に折りたたみ式の何かを背負っていた。

    「…え?ひぎゃっ。」

    降りたところで女性社員と鉢合わせになってしまったが、大佐はそれを容易く撃ち抜いて人形に変えてしまう。
    そこからは一方的な虐殺だった。部屋に突入する。

    「な、なんだお前らは!う、うわ!」
    「や、やめてくれ!命だけはあああああ!」
    「反抗の前兆有り。排除。」
    「排除。」
    「反抗を確認。処刑。」
    「処刑。」

    少しでも反抗する可能性のあって証言に不必要な人物は全て略式処刑と称して撃ち殺していった。
    無駄なものをなくそうとするそのやり方は確かに無駄が無いが、あまり見ていていいものじゃない。
    だけど、仕方ないんだろう。
    そんな中、やっとMTスーツが姿を現した。
    ライオネルを凌ぐAPや武装を誇っているらしい安価MT、アルティーナとやらが。

    「ちょいと見せてもらおうかねえ。」

    曲がり角からそれが出た瞬間、アルフ少尉はそれに肉薄しながら両手に装着したマシーネンフィストを起動させる。
    次の瞬間、アルティーナは壁に押し付けられ、ガリガリゴリゴリと嫌な音を立てながら自慢のAPフィールドを削られていく。
    そして少尉の左手はソレの腹に押し付けられ、こちらは甲高い音を立てながら削っていく。
    この削る音が肉を裂く音になるまでにあまり掛からなかった。
    容赦なく機械の掌は頭蓋骨と内臓を裂き、犠牲者を人からただのモノへとクラスダウンさせた。
    流石はパワードスーツ最強の近接武器。装甲材さえも断ち切る拳。
    代償はその整備費と扱い。真っ当なMTスーツに浴びさせてもああはうまく行き難いだろう。

    「へっ、見掛け倒しかよ。つまらねえな。」

    少尉はそう言いつつ次の目標へ飛び掛った。
    BGMに壮大なシンフォニックメタルを響かせながら…。


    Next→-08/15-00:04

1551/ 08/15-00:04[ろくでもなしの慈善活動]
・投稿者/ 鉄
・投稿日/ 2007/07/22(Sun) 14:36:15


    08/15-00:04 支社ビル前

    「そろそろ出番だな。」
    『そうですね。打ち合わせ道理直接火砲支援を敢行します。巻き添えにならないように。』
    「へいへい。撃ちすぎてビルを崩落させるなよ?」
    『…貴方もですよ。』

    空挺部隊の突入を確認し終えた俺たちはACスーツやMTスーツを展開し、既にスタンバイしていた。
    カウントまであと5…4…3…2…1…GO!
    1機の1stACが偽装を剥がして手に保持する榴弾砲を発射した瞬間、俺たちはビルの入り口へ突っ込んだ。
    無論足並みを揃えるタメに速度を落とし、警備員は傭兵用ガレージ謹製インサイド装備7.62mm機銃でバラバラになってもらったが。
    俺たちの眼前で爆風が巻き上がり、中に居た受付嬢や客などは粗方消し飛んだ。
    これはクソったれどもへ送る鎮魂歌の最初の音。
    身の程知らずを潰し上げるためのパーティのクラッカー。
    狂ったダンスパーティの始まりだ。ラストダンスは誰と踊る?
    そんな事はどうでもいい。今は仕事を済ませるだけ。

    「ハウンズダブルオーよりハウンズ全機、スリーワンセルで行動しろ。屋上組みの話だと装甲は軟いようだが油断はするな。以上。」
    『了解!』

    ハウンズ01とルイスと共にローラーダッシュで廊下を通り抜ける。
    直後レーダーによると…曲がり角から敵が2体接近しているようだ。
    しめた。両腕の兵装を準備させ、その曲がり角へ差し掛かった。
    その瞬間俺はほんの少し右ローラーの回転を止め、急速回転した。
    そして構えたパイルバンカーの先に居るのは敵MT「アルティーナ」。
    ペーパースペックの通りならこんな攻撃は避けられただろうが、現実はそうもいかない。
    突き出した杭はAPフィールドを破砕して尚もその勢いは止まらず、着用者の体を貫き、投げるように振りぬくと体は真っ二つになって崩れた。
    もう一人が同僚の仇と言わんばかりにブレードを展開するも、その長さが仇となって振れない。
    そして俺はそいつの腕に展開したナイフで斬り付け、蹴りを食らわせる。
    当然ながら吹っ飛んで壁に激突してまた隙ができる。
    その隙を俺は見逃さない。ローラーダッシュを展開したままそいつを踏み、ナイフを展開したまま押付けた。
    こんな状況で何ができるか?いやできないままに哀れな生贄はコアブレイクされてローラーに轢かれた。

    「こちらハウンズダブルオー、敵の練度及び性能は想定値を遥かに下回っている。繰り返す。敵の練度及びに性能は遥かに予想値を下回っている。」
    『やっぱりでしたかい。ついさっき3匹ほど会いましたがね、奴らてんで腕が悪いようで。』
    「よって今作戦も何時も道理さっさと済ませるぞ。ただし、奴らは商品化していないブツも使ってくるだろう。それには臨機応変に対処しろ。あと、土産にここの製品は要らん。」

    当然の事だ。現場の兵士は性能が良いモノではなく信頼性が高いものを取る。
    どんなに性能が高くても兵器に裏切られて死ぬのは馬鹿馬鹿しいからだ。
    無論俺たちはミラージュ社の中でも比較的信頼性が高いリンクマンやジャンクメタルを使用している。
    軍で何年か運用され続けて来たが、異常と言う異常は見られない優秀な機体だ。
    無論、その公式スペックも誇大されたものではなく、比較的信頼できるデータだ。
    しかも性能のバランスも取れていて、武装の融通も利く。
    そう、この時点で兵器としての完成度など考えられていなかったのだ。
    それに気が付くかどうかがこの会社のアホかどうかを左右する所だったのだ。
    っと、移動している間に3体ほど接近している事を察知した。
    加速しようと身構えるが…

    「悪いねバニー、こいつらはアタイが頂くよ。」

    そう言うとルイスは肩の砲を容赦なく放ち、固まって出て来た連中を薙ぎ払う。
    室内で使うには火力は強いが、ルイスの腕なら問題は…無いだろう。
    そう思いたい。ああ、そう思わなければやってられない。

    『ええ、分かってますよ。こんなんで死んだら”屑鉄”の野郎が何を言うか分かりゃあしねえ。』
    「懸命な部下を持って俺は幸せだ。さて、そちらは済んだのか?」
    『あたぼうでさぁな。何時でもいけますぜ。』
    「OK,教会の連中にクリアニングは任せて次の階へ行くぞ。」

    教会の連中に一報告げると、俺たちは各々の方法で次の階へと急いだ。
    俺たちは非常階段を使用する。ルートを分けるのは…言わなくても分かるよな?
    遥か屋上でシンフォニックメタルが響く中、俺は次の目標を探して上へ上へと上って行った…。


    Next→-08/15-00:13



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掲示板管理者:RR
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