−離反から数日後
C-LAWSが離反した今、俺の立場は企業に飼われた鴉さ。 それでも、俺のやることは変わらねえ。 ただ、目標を射抜く弾丸に成るだけだ。 だが、今回はいつもとは勝手が違う。 そう、今日は大きすぎるパーティ故、何人か相方が居る。 それも、最新鋭のヘビィなブツだ。 MTとは思えぬ高スペックを誇る機体。 名前は、”バイヨネット”とか言ったか。 そんな銃剣が2本も付いてきているのさ。 これなら、ACが4機でも来ても勝てるだろうよ。
「こちらティーガー、パーティ会場に到達した。」 「こちらオーナー、了解。今回はゲストが居るわ。」 「で、俺がそのゲストだ。コードネームはパンサーだ。」 「同じくゲストだ。コードネームはグリズリーで頼む。」 「こちら、ティガー。良いパーティにしようぜ。」
今回は、ジュディはお休みだ。その代わり、デルタのオペレーターが登坂さ。 とは言え、こちらの流儀でやらせてもらう。 同類の処理は同類が一番わかっているのさ。
今回のパーティはこの地区に展開されたACの撃破。 予想される数は2。明らかにこちらの優位だが、油断は死を招くぜ? さあ、パーティの始まりだ。
「「「さあ、パーティだ!」」」 3人ともノッているな。流石古巣の連中だ。 イエーガーファウストを先頭にして哨戒を始める。 数分もしないうちにレーダーに反応した。 …反応は12。どうやら、敵はMTも配備していたようだ。
「オーナーより各機、どうやら敵ACは4機とMTは8機。ACのうち1機は傍観しているようね。」 「こちらグリズリー、了解。MTの排除にかかる。大物は任せた。」 「こちらティーガー、任された。さて、派手なパーティになりそうだ!」
思うもんじゃないな。本当に4機も出てくるとはよ。 さて、義眼内データべースから敵ACを照合する。
「エルザ」と新顔2名と”狂犬の旦那”か。 ”狂犬”は傍観しているようだからよ、殺気立っている奴らを相手にしてやるか。
「パンサーさんよ、集団から殺るぞ。」 「あいよ、ちゃっちゃと終わらせようぜ。」
さて、敵さんも動き出したようだ。 戦力を分析。オーソドックスな逆足のようだ。防御は疎か気味だが。 もう1機は接近戦重視の軽2脚。 そして、砲戦重視の安価なタンク。
対するこちらは接近戦重視の機体が2機。混戦に持ち込むか。 早速バイヨネットの兵装が火を噴く。難なくかわされているが。 まあ、しょうがないだろうよ。さて、そうしている間にイエーガーファウストは敵に接近しようとしている。 当然、敵から迎撃としてグレネードが飛んでくる。脳が警鐘を酷く鳴らす。
『迂闊な奴めっ!』
−危険
問題ない。簡単に飛んでくるグレネードをかわす。続いてライフルによる射撃。かわしきれない。
−危険
仕方なく分厚い装甲で受ける。問題ない。今度はこちらから攻撃を放つ。 逆足ACに容赦なく砲弾が突き刺さる。これぐらいでは有効打にならないだろう。 バイヨネットの援護が地味に効いている。これなら狂犬の旦那との決戦まで弾を温存できる。 だが、そうも行かなかった。
「こちらパンサー、でっかい一撃を食らった、動けそうに無い!後は…」 「パンサーからの通信が途絶しました。」
そう、目の前でブレードでコクピットを抉られていた。 あばよ、短い付き合いだったぜ。
敵はAC4機。状況にして4vs1。勝率は0。グリズリーを呼び戻すのに時間も掛かるだろう。 最早、逃げることは不可能だろう。だが、軍門に下る気も無い。 元より、退けば彼女たちに身の保証はできないだろう。 なら、道は一つ。 とうに覚悟は出来ている。 イエーガーファウストを敵のど真ん中に突っ込ませる。
−危険
分かっている、だがそれがどうした。元より、この命は4年前に捨てたモノだ。 今失おうが問題はない。俺は今、1発の魔弾となる。 当然、敵の集中砲火が降り注ぐが、問題ない。 射線上から素早く脱出し、全て回避。 そして、交された弾が行き着く先は、無防備にもキャノンを構えていた逆即ACだった。 容赦なく弾が突き刺さり、爆風が巻き起こる追い打ちを浴びさせる。 そして、ボロボロになった逆足ACは動かなくなった。これで1機。
『この、バケモノ…!』 『そんなバケモノに立ち向かったお前さんは何だ?それに、お前さんの弾でアレは死んだだけさ。』 『コイツ…!』
さあ興奮しろ。すればするほど楽になる。 まだパーティは始まったばっかりだ。逝くまで愉しもうぜ。
−暴走
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タンクACに照準を合わせる。相手ももう既に腕は一本無くなり、重火器ももう見る影もない。 だが、こちらも相当ダメージを受けている。左のマシンガンの弾は切れ、全身がボロボロだ。 いくら被弾箇所を調整したとはいえ、満身創痍だ。 右のマシンガンを至近距離で発砲した。 面白いように全弾命中し、脚部の機能はもう失われた。 そして、両腕のマシンガンをパージし、格納武装を装備する。
「お前さんらとのダンスはこれでお仕舞いだ。」
そう、外部スピーカーで響かせた。 さて、保険としてブレードでコア以外切り裂く。 これで、エルザは何もできないだろう。 今頃、コアの中で失禁してノビているかもしれないがな。
「こちらティーガー、敵AC3機を撃破した。グリズリー、応答しろ。」 「こちらグリズリー、MTどもは撃破した。現在そちらに移動している。…ウワッ!」
グリズリーとの連絡が途絶する。これで、いつも道理の戦いになった。 そして、狂犬と対峙する。待望の戦いが始まろうとしている。 これが生涯最後の戦いになるだろうよ。 最期の一瞬まで、愉しもうぜ。
『よぉ、虎。』 『よぉ、狂犬。』 『さあ、殺ろうぜ。俺たちにとって最大の愉しみをよ。』 『だな、さっさと殺ろうぜ。やっと、待望の一戦さ。』 『愉しい戦いにしようぜ。』
−そして、
『『さあ、殺し合おう。』』
そして、最後の戦いが始まった。
[ 多くのC-LAWS所属レイヴンはゼカリアに賛同し、離反した。 だが、俺は離反しなかった。 何故なら、俺は離反する訳にはいかない絶対的な理由が有った。 それに、あちらにつくことに関する利点も無い上に無謀すぎる。 十分な補給も、自由も、何もかも不確かすぎるしな。 理由の一つに彼女たちの存在が有った。 アルとソフィア、戦友から託された娘。 今の俺は彼女達を守るための一発の弾丸にすぎない。 そう、だから俺は嘗ての仲間を敵に廻し、デルタや専属レイヴンの連中と共に立ち向かった。 その選択に、間違いは無いと俺は信じている。 悔やむことが有るとすれば、そう。 もう、彼女たちを見守ることができず、彼女たちを悲しませてしまったことだけだ。
親愛なるアルとソフィアへ 俺の代わりに、生きろ。どんな手を使っても良い。 その為に、手は打った、詳細はブリンダルとアイアンフォードに聞いてくれ。 約束は守れなかったけどよ,許してくれ。]
〜回収されたイエーガーファウストのコアに残されたテキストデータより〜
To Be ACRW But He is Dead. This story is End.
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