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「あらやだ、薫子じゃないのね?あなた誰なの?」
「はい?」
「薫子の肉体をのっとったんでしょ?幽霊じゃなさそうね・・・生霊・・・か。」
「はいいいっ?」
「ふぅん・・・そんな薬があるのね。危ないわよ?そんなの使っちゃったら。」
「え、ああ、そうですか、ですね。」
この母親いったい何者?
全てを見透かしているようだ。
「薫子の魂はそこにいないようね。とすると・・・貴方の体に飛ばされてると考えるのが妥当なところかな?」
「えっ・・・俺の体に???」
「ふふふっ、面白いことになってきたわね。」
何を言っているんだこの緊急事態に!?
突然、けたたましくチャイムが鳴った。
ドアノブをガチャガチャとまわす音が玄関ホールに響く。
「来た見たいね、貴方の体。」
母親はすたすたと玄関に向かって階段を降り始めた。
俺はパジャマのまま、スリッパをはいて後に続く。
パジャマの中でノーブラの胸がぽよぽよと・・・
鍵を開けるや否や、飛び込んできたのは見慣れた俺だった。
「おおおおおお、お母様!!私です!!薫子です」
「おかえり、薫子。とにかく中に入りなさい。」
ぜえぜえと肩で息をしている俺の姿の娘を引っ張り込み、また鍵をかける母親。
「気がついたらこんな汚らしい男の姿に・・・そ・・・そのワタクシの・・・体!?」
「あら、汚らしいなんていったら本人に失礼でしょ?ちょっとこっちに来なさい。」
母親は俺の肉体の頭に手を乗せた。
「おかあさ・・・まっ!?あああああっ・・・・・」
硬直して動かなくなる。
なにやら小声で呪文のような・・・
「はっ!」
「う・・・わ・・・」
俺の姿の薫子は・・・
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