大変洞察力の鋭い、知的な御意見を拝読致しました。 さすが、オランダでご生活をなさった方ならではの 貴重な御意見を本当にどうも有り難うございました。
そうですね、犬のフンについては、貴女様のおっしゃるとおりです。 税金を払っているのだから、フンの始末は市役所がやればいいのであって、 自分たちする必要がない、これがイコール・”マナーを守らなくてもいい”、 というのは、自分たちに都合がよいよう、屁理屈をこねているだけですよね。 この国の、”自由”を乱用(悪用?)した考え方です。 これと同じ考えに、こういう例がありました。 私が子供連れで公共プールに行った時のことです。 子供たちが遊んでいるプール際に、 犬、それもピットブルを2匹も連れてきている若い男女がいました。 犬をプール際に連れてくる事自体禁じられている上に、 それも闘犬であるピットブルを、子供が沢山泳いでいるプール内で 泳がせては大喜びしています。 そこで、私を含む他のオランダ人の親達が、 その男女に注意したところ、かえって来た言葉は、 ”うるせえんだよ!このプール、あんたらのプールかよ?”・・・。 それじゃ、規則を読みなさい!と叱りつけると、 ”規則は俺が決めるんだ!ひっこんでな!”・・。 確かに、自由を謳う国ではありますが、ここまで自由に屁理屈をこねられると もう、苦笑ものですよね。
ポルノに関してですが、これは特に最近、キンダーポルノ(幼児ポルノ)に 世間が大変、敏感になっています。 例の、幼児連続誘拐殺人犯である、ベルギー人・マーク・デ・トロウの事件が あってから特に警察も本腰を入れて取り組んでいる社会的問題です。 例えば、自分の子供の写真を撮る場合、 近所の子供と一緒に写す時は、必ず、 その保護者への同意を得なくては ちょっとした写真も撮影できません。 私事で恐縮ですが、夫が私たちの子供の写真を撮ろうとした際、 通行人から、”なぜ、写真を撮ろうとしているのですか?”と しつこく聞かれた、とびっくりしていました。 おちおち、自分の子供の写真も公では取り難くなっているのです。 大人のポルノですが、これは、ヌード愛好者専用のプールもある上、 ポルノは当たり前なので、もはや取り立てて騒ぐ事もない、 という感じでしょうか。
売春は、実際は半合法、です。つまり、ぽん引き行為は禁じられていますが、 売春することのみだったら、合法です。 ですから、売春は、れっきとした職業。 なので、売春をする女性は税金を納める義務が当然あります。 あとは、健康診断を必ず定期的に行うことが義務だそうです。 要するに、売春もプロであるよう、という考えなのです。 プロでない男女が売春することも当然ながらあります。 パート・アルバイト、という感じでしょうか。 ただ、実際、アムステルダムなどの主要都市にある”赤窓”の女性は 殆どが外国人だそうです。
ドラッグですが、これは合法です。 よく、学生らがテスト前に、頭がすっきりするように、と マリファナを吸っているのを見かけます。 自宅でマリファナを栽培している人もいます。 ただ、これだけ普及している(?)と 子供達にとって、余りにも身近すぎるので、 親に隠れて吸おうとか、秘密、というような感覚は全くないようです。 親自身、昔は吸っていた、と言う人が多いので ドラッグについての扱いには慣れていると思います。 ドラッグにおぼれると、身を滅ぼすのは誰か?ということを 子供たちは聞いて育っているので、 ドラッグを試すのも、中毒になるのも、 全て個人個人の人生なのだから、全て自分で責任を持とう、 という感覚が身についています。 それでも、中毒でジャンキーになる人も沢山いるのが事実。 ドラッグとは、賢く付き合いましょう、という感じでしょうか。 私には、ティーンの子供が3人おります。 一度、17歳の長男がドラッグを学校で試した、 と言う話を何気なくしたので、これはいい時期が来た、と思い、 他の子供たちも連れて、中毒者収容所まで行き、 患者さんたちにあって、子供たちに話しをしてもらいました。 それ以来、子供たちは、ドラッグをおやつのように考えるのは やめたようです。
と、長くなってしまいましたが、最後まで読んで下さって 本当にどうも有り難うございました。 また何かありましたら、是非、御意見をうかがわさせて下さいね!
|