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Josefさん、お返事有り難うございます。
>Wikiに「穀物メジャー」で載っています。私が聞いたことがあるのはカーギルだけですが。
WikiのABCDと呼ばれるメジャー各社についての情報のほかに、脚注にある柏雅之氏の論文、特に大変興味深く読みました。特に日本と引き比べるとですね。
>>農産物の需要構造が増大へとシフトすれば、価格が上昇し、供給増と需要減によって調整され農産物の「不足」はなくなる。さらに価格上昇によって技術進歩が促されれば供給構造が変化して高止まりする価格も下がっていく。
日本において商品、サービスの「需要構造が増大にシフトすれば」なんて考へてもナンセンスですよね。少なくとも需要が長期的に拡大する見通しがない。だからデフレからの脱却はありません。何が原因なのか?
>>低所得国の栄養不足人口増加は、仮にではあるが経済成長により所得が増加して需要曲線が右上にシフトする、あるいは技術進歩によって供給曲線が右下へシフトすれば解消に向かいうる。
そして、こちらは資源配分の適正化ですが、所得の増加はデフレ下ではなく、可能なのは技術進歩によって同じサービスを低価格で受けられるようにすることによってのみ可能となるといふ話です。とするなら規制緩和は有益です。
食糧の話に戻ります。2008年の食糧危機といふのがあって、大暴騰しているけれど、バイオエタノール燃料の促進法制が原因だったりして何が飢餓を生み出すのか注目すべき論文です。これは解消に向かうのでせうけれどね。
つい最近に読み終えた「穀物メジャーーー食糧戦略の『影の支配者』」(岩波書店、石川博友著、1981年)によれば、カーギル単独の相場操縦は1937年以降2回表面化したさうですね。またメジャー5社が1967年のオランダ・ロッテルダム市場と72−76年の米ミネアポリス市場で価格操縦を疑われてゐることが書かれてゐます。
ただし、単独、複数社の問題表面化でどうなったか、特に注目すべき複数社の問題については書かれてはいません。むしろ逆に業界外の仕手筋に相場操縦されて、メジャー側が損な価格で穀物取引をする羽目になったり、特にカーギルは適正価格で大損害を被らぬような取引手法をとるようになってゐることが書かれてゐます。
そりゃそうでせう。同社は長期安定の商売がしたい。しかしもともと需要家への供給責任も農家との恒常的な取引もない無責任な仕手筋が相場を張って、それができない。安全な商売の方法を探らなきゃいけない。とするなら同社とアフリカの貧困国民はむしろ利害が近いのではないでせうか。両方とも敵は仕手筋ですから。
>為替にせよ株にせよ、できるだけ効果的な介入をしてほしいものです。
リーマン後のFRBが、仕手戦を張らうとヘッジファンドが待ち構える金融商品市場に潤沢に資金供給をして、穀物も含めて値上がりしたことは周知の事実です。これに追随した金融緩和手法を取らされてゐるのが日銀であり、現在購入枠はETF1兆6000億円、REIT1200億円となってゐます。
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