|
>バジル二世さん:
あのですね、はた目に見てすごく変ですよ。
漢字って、もとは異国の文字でしょ。
それを使ひこなしてきた我が国の歴史には私も強く思ふことはありますよ。
だけど、本来の字体がどうこうと言ひ出したら、じゃぁ、
甲骨文字の時代の字体にまで遡らなくちゃいけんのじゃありません?
ひとつ、例を挙げませうか。
金銭や経済に関はる字には「貝」の部首が付くものが多いですよね。
甲骨文字の時代に、つまり殷の時代には綺麗な貝殻が貨幣の役割だったのかな、と。
でもですね、その後の周に始まる、まさしく漢民族の母体となるやうな、
秦・漢の文明に、さういった海洋性の経済文化があったでせうか。
ないですよね。周は殷の西方から、つまり、もし経済価値を部首で示すなら、
「貝」ではなく「羊」の部首こそふさわしい、さういふ系統のはず。
つまり、字とはさういふものですよ。西方のアルファベットだって同様。
漢字の正字体の価値といふものは、確かにあります。
もちろんありますけどね、それは戦後の日本人が誰かにどう思はされてゐるとか、
そげなもんでせうか。そんなはずがないじゃありませんか。
|
|