一購入検討者さま
ご投稿いただいた質問を拝見させていただきました。「守る会」としてご回 答させていただきます。
まず、日照権問題が発生するかしないかというご質問がありました。結論か ら申し上げますと、当会では日照権問題は現在、争点としておりません。実 際には日照権上の問題は発生します。が、そこで被害をこうむるお宅の方々 は日照権を争点としてとりあげることを強く主張しない、という判断をされ ました。訴状においても、この点を大きな問題として取り上げることはして おりません。(私たちが問題としている大きな争点については、HPトップに リンクを設けた「訴状」に示させていただいております。長文に及ぶ文書で お手数をおかけしますが、なかでもp.16からの「第4 原告らの被害」とい う項目をご覧いただくと御理解いただけるかと思います。ご参照ください) ちなみに、いま全国で生じている幾百ものマンション紛争の問題ポイントは それぞれ千差万別です。そのなかで「日照権がらみ」が「一番問題となって いる」かどうかについては、私たちは把握しておりません。
次に「2,3,4,5はすべて行政が解決するべき問題であり…」とご指摘 いただいた諸質問にお答えいたします。 まず【2】の小学校過密問題に関してですが、私たちは平成13年にこの大規 模計画の存在が公告されて以来、何度も何度も市行政にこの問題を訴え、川 崎市教育委員会へ陳情書をも出してきました。当初はとりあってもくれな かった市教育委も、私たちが市役所へ乗り込んだり担当職員を呼びつけて再 三訴えた結果、「確かに、この地区の小学校には過密問題が大きくのしか かっている」とやっと認めました。が、そこでの市教育委の回答のつづきは 「問題があるのは認識するが、これを解決するために小学校を新設する敷地 も、財源も、いまの川崎では確保困難」とし、「校舎の増改築などでしのぐ ことを検討中である」というものでした。それは過密を解消するものではな い、むしろ増長するものだ、と私たちは改めて強く抗議をしましたが、教育 委の回答は変わりませんでした。その後、鷺沼プールを廃止するという話が 降って湧き、その地に小学校を新設するという話も生じましたが、これはま たこれで別の論点でまだ揉めている最中です。よしんばここに小学校が新設 されても、それでも十分な過密解消にはならないという見解もありますし、 それ以前に、今揉めている案件が(仮に)今すぐ解決して今すぐ小学校を作 り始めても、その新設校が機能し始めるのは平成18年まで待たなければなら ないという計画です。それまで鷺沼小の子供たちはどういう環境で過ごさな くてはならないか。問題を市民が口酸っぱく主張し続けて、行政がやっと示 した「解決策」はこういう次第です。
【3】の幼稚園・保育園の絶対数不足の問題がさらに救われないのは「これ は行政は解決してくれない(正しくは、解決してもらいにくい)」案件であ ることです。義務教育に関わらないこれらの施設に関して、行政は小学校以 上に冷ややかでした。それどころか、鷺沼小学校の隣にあった市立鷺沼幼稚 園は平成14年をもって“閉鎖”されてしまいました。前市長の時代からの 「財政改革」の一環です。当然、子供をもつ母親達は強く抗議の意志を訴え 続けていました。ヴァンガートンヒルズの環境アセスの場においてもこの問 題は指摘されていました。しかし、「すでに決定した方針ですので廃止は変 更いたしません」「(保育園も)財政改革の一環として、基本的に民間への 移管を進めています」の一言で片づけられました。【4】の医療機関・保健 所・区役所に関しても同様です。とくに病院施設については、それもやはり 民間のことであるとされ、行政が指導して何かするという回答は得られませ んでした。
【5】は道路の渋滞でした。これが行政に働きかけてどうにかなる問題でな いことは、改めてご説明するまでもないでしょう。別に道路をふやしてくれ るわけではありませんから。もちろん、路上駐車への対応については管轄警 察署に直接出向き、問題の深刻性を訴えました。署長のコメントは「違法駐 車に関しては、法に基づいて適正に取り締まりをします」というものでし た。当然の話ながら、問題が起きたら対処します(それまでは何もしませ ん)という対応です。
「行政に働きかける行動は行われてきたのか」という質問に対するお答えは 以上です。私たちとして、考え得る限りの行動をおこしてきたつもりです (そして、川崎市という行政が"してくれること"のあまりに浅すぎる限界に 少なからず失望したのも事実です)。
【1】の電車および駅の混雑は、これは今ここに住んでいる私たちの心情的 「感想」です。この件に対して、私たち「守る会」は、定量的議論を行いま せん。そして今回の訴状の中でも、この点についてはまったく盛り込んでい ません。一購入検討者さまがご覧になった「計画の何が問題なのか」という ページが、平成13年11月にこのサイトを立ち上げた当時のものであり、その 後アセスメントの展開などで生じてきた“より核心的な問題点”については 掲載されていないため、この項目が第一項に挙がってしまっていますが、こ の【1】については、いま現在は第一問題点ではないというのが正直なとこ ろです。(この古いページを内容更新していないことについてはお詫び申し 上げます) ただし、すでにさとるさんからのご投稿にもあったように、この電車混雑に 対する住民の「心情」は確実に存在します。このマンション計画に反対など していない住民のみなさんも、この想いは少なからず抱かれています。その 実態を証明する作業は困難であるので「証明」は割愛させていただきます が、朝の駅界隈で誰かに話を聞いてみたり、鷺沼をテーマとした掲示板など を探してご覧いただけば、その実態の一端はご理解いただけるかもしれませ ん。
長文になってしまいましたが、これらの問題の発端はすべて建設計画が「こ の街並みの中では大規模すぎる」という点から生じています。(さらに訴状 の中ではその大規模さゆえの景観価値の破壊を主題として取り上げていま す)。この鷺沼駅を中心としたエリアでは、ヴァンガートンヒルズだけでな く、さらに10件をゆうに超える新設マンションの建設ラッシュが生じている ことは一購入検討者さまもご存じだと思います(もしご存じでなかったら、 是非お調べになってください)。新しい住人の方が増えることは嫌悪いたし ません。ただ、そこまでの急激な変化を回避し、生活インフラがオーバーフ ローしない程度の、多少でも“適正な”住環境が確保できたらな、というの が私たちの願いです。
マンションが建つことを否定はいたしません。大型すぎない(あと、市の用 途地区規制に沿った高さ規模の)建築物を望みます。「大型物件に魅力を感 じて…」とおっしゃる一購入検討者さまには申し訳ないかもしれませんが。
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