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どうしたものかと思い悩んでいると、体の違和感に気付いた。
どんどんと身体が縮こまっている。どうやら熱されたアスファルトをはいずっていたせいか、体の一部がどんどんと蒸発してきている。
幸いにも痛覚は遮断出来ているので行動には問題無さそうだが、タイムリミットがあるのには違いない。逃げ出せたのにこのまま死ぬなんて洒落にならない。
とりあえずは身を隠せる所、なるべく水が有る所に移動したい。となると、あの場所しか無さそうだ。
俺は慣れないスライムの身体で、真夏の道路を這いずって行った。
十分ほどかけてたどり着いたのは、とある女子高のプールだった。
近年では珍しい五十Mプールであり、所属している水泳部の成績も良いそうだ。
麗華さんの手も流石にここにまでは伸びてはいないだろう。
ここならば広いし、いざとなったら水のなかに入って隠れることも出来る、と思ったのだが……
「なっ、なにこれ……誰がこんなもの持って来たのよ……」
――早速見つかってしまった。このぷるぷるボディがいけないのか。
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