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「ううん……何か手がかりになる物は無いかしら?」
作業を続け、部屋の中を探索する。
狭いようで、広い不思議な部屋をくまなく探すが、大きな鏡以外に目ぼしい物は無かった。
「やっぱりこの鏡が怪しいわね」
そう言って、鏡に近づこうとした時、自分の言動に違和感を覚えた。
「あれっ?私、女言葉になってる?」
気付けば、自分は言葉を操り、行動していた。
ふと、自分の行動を思い返してみると、見慣れない女物の服に苦も無く着替えていたし、
歩き方、座る時の姿勢も女性のそれに変わっていた。
「何時の間にこうなったのかしら?」
呟き、その事を自覚した途端……
――頭に激痛が走った。
「いぎぃぃぃぃっ!?」
激痛とともに、ナニカが頭の中に入り込んでくる。
それはまるで濁流のようで。俺の頭を圧迫する。
俺が、書き換えられていく。そんな気がした。
だが、負けじと俺は踏ん張った。
そして……
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