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「キミ、下がっていろ!!」
素早く俺と絵里の間に入ってそう叫んだのは、俺が通っている高校の生徒会長だった。
一瞬、助かったと思った俺だったが、よく考えてみると生徒会長は警察官でも何でもない、ただの一女子高生なのだ。これではたいして状況は変わっていないのでは・・・
そう考えていた時期が俺にもありました。
次の瞬間、生徒会長はポケットからお札を取り出し、それを絵里の前に突き出した。
「忠告する。コイツはなかなか強力な札でね、アンタぐらいのレベルだったら簡単に消滅させられる力を持ってる。・・・悪いことは言わないから、早くその子の身体から出ておとなしく封印されなさい。」
絵里に向かって脅すようにそう話す生徒会長。
それに対し絵里は、相変わらず正気とは思えない表情をしていた。
「ふひひ、なぁ〜にを言ってるのぉ〜?身体から出るも何もぉ、あたしはぁ、フツーの女子高生のぉ、大河絵里だよぉ〜。ただぁ・・・ちょっと人をコロシテみたくなっただけっ!きひひひひひひぃぃぃ!!」
「そう・・・だったら、仕方ないわね!」
生徒会長の声とともに、お札が光り出した。
すると、絵里はガクガク震えだして、持っていた彫刻刀を床に落とし、さらに先ほど血の出ていた傷口を押さえ出したのだった。
「ぐ・・・ぐぎぎぎぎぎぎぎ・・・!!」
歯を食いしばって、何かの激痛に苦しんでいるような表情をみせる絵里。
その様子を見ているとふと、絵里と目が合ってしまった。
「い、痛いよぉ・・たすけて・・たすけてよぉ・・・」
涙目になっている絵里から、力のない助けを求める声が聞こえてきた。
「キミ!コイツの言う事に耳を貸すな!その子のことを本当に助けたいのなら!」
俺は・・・
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