何かを思いついた時、選択をしなければならない時、心の中では失敗したらどうす ると思うときがあります。人間は直感によって、あるいは周囲の状況がそうさせる 場合もありますが、新しい一歩を踏み出す時、何らかの変化を必要とする時、それ は人間形成を大きく成長させる機会でもあるし、危険を伴うものでもあります。
決断する時は、心配、失敗、恐ろしさが、走馬灯のように駆け巡ります。不安は前 面に出てきますが、しないことによって、チャンスを逃してしまうリスクがありま す。人生で決定的ともいえる出来事の特徴は、今までにやったことのない事や行っ た事のない事です。慎重さはとても大切ですが、しかし、何ごとに対して慎重にな るべきか、考える必要があります。
慎重になるのは、自分の動機がどこからやって来るのかを見極めることです。それ は恐れからやってくるのでしょうか、それとも本当に望むことからやってくるので しょうか?決断にはタイミングが大事な場合があります。決断が遅れることで、取 り返しのつかないことになってしまう場合もありますので、この問題はいつまでに 決めたほうがいいと、考えておいたほうがいいでしょう。
期限が決まっていない時でも、自分なりに期限を決めて考えてみてはどうでしょ う。期限が迫らないと、答えを決定できない人も多いのではないでしょうか。決断 の際には「一番大事にしたいのは何?」と自問してみます。それがわかれば、選択 できるでしょう。一番大事なものを選択するためには他のものを捨てる決心も必要 です。
何かを実行に移せば、慣れないことに苦労して、様々な困難に出遭い、失敗するこ ともあります。そんな当たり前のことでも、恐れていたら決断できません。リスク を覚悟すれば決断できるかもしれません。人生の選択を行った結果を実際には比較 はできません。自分が経験できるのは自分が一つだけ選んだ結果だけです。自分が 後悔さえしなければその選択の是非が問題になることはありません。
だが、どれだけ行動を起こしても悔いというものは残るのです。その悔いを少しで も消し去るために最善を尽くす生き方をしようと考えることも、後悔しない決意だ と思います。何もしないよりは必ずいい経験として価値になると考えられれば、積 極的な決断ができるでしょう。将来の成り行きは誰が考えてもわかりません。最終 的には「なるようにしかならない」と考えることで気持ちが和らぐのではないでし ょうか。
そして、決断というと積極的な選択肢を選ぶことですが、「このままの状態」とい うのも立派な選択肢だと思います。自分の現在の状況は、自分と現実に向き合った 状況のはずです。人生には決断すべき大事な時があります。判断を誤り、悔いを残 さないように最善の努力を行うことが肝要だと思うのです。
生きていれば重大な選択をしなければならない場合はいくらでもあります。だが、 重大な選択をしても、それがすべてではありません。選択したことを考えすぎて、 選択すべきではなかったと思うのは悪い考えです。「これで良かったのだろうか」 「他の選択が良かったのではないか」などと考えるのはいけないと思います。
一度自分で悩み選択したら、「これでいい」「これで良かったのだ」と思うように これからの未来を生きる努力をすることが大事なのではないでしょうか。選択した 生活の中で精一杯努力することが大切でしょう。一番良くない考え方は、過去の選 択を後悔しながら生きることです。「選択を誤った」「あの時こうすれば」などと 考え、それを考え続け今できる努力を怠ることです。
過去に自分が望んだ選択が実行に移せずに後悔する人もいます。それを他人のせい にして、運が悪かったと嘆いている人もいます。後悔して、自分や他人を責め、落 ち込んでいても仕方がありません。後悔でなく、反省しようと考え、その出来事か ら学び、今後の人生に活かせればいいのではないでしょうか。
後悔しそうになった時には、後悔しないように、今を大切にしようと考えてみては いかがでしょうか。その問題を考えている時間にも、今の人生を大切にすることが 重要です。少しでも力を抜いて考えることができたらいいのではないでしょうか。 その選択によって、人生の不幸が決定してしまうわけではありません。その選択よ り、その後の生き方の方が大切ではないでしょうか。選択したのだから、もう後に は戻れないのです。
ここで、俺の励みになった詩を紹介します。「歩む者のない道」黄色い森の中で道 が二つに分かれていた。残念だが両方の道を進むわけにはいかない。一人で旅する 私は、長い間そこにたたずみ一方の道の先を見透かそうとした。その先は折れ、草 むらの中に消えている。
それから、もう一方の道を歩み始めた。一見同じようだがこちらの方が良さそう だ。なぜならこちらは草ぼうぼうで誰かが通るのを待っていたから。本当は二つと も同じようなものだったけれど。
ある朝、二つの道は同じように見えた。枯葉の上には足跡一つ見えなかった。あっ ちの道はまたの機会にしよう!でも、道が先へ先へとつながることを知る私は再び 同じ場所に戻ってくることはないだろうと思っていた。
いま深いためいきとともに私はこれを告げる。ずっとずっと昔、森の中で道が二つ に分かれていた。そして私は・・・そして私は人があまり通っていない道を選ん だ。そのためにどんなに大きな違いができたことか。ロバート・フロスト
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